羊じゃないよ 毛むくじゃらな『国宝』の正体は・・・?
2464viewmayu2017/03/06

もじゃもじゃの巻き毛で、のそのそ歩く姿は一見『羊』。しかしその正体はハンガリー生まれの希少な『豚』、マンガリッツアです。羊毛豚(別名:ウーリーピッグ=毛に覆われた豚)とも呼ばれています。

出典 株式会社プレコフーズ
おいしい食用豚として、現在ミシュラン星つきを含む各国のレストランで提供されるマンガリッツア。脂肪率が世界一高い豚とされ、良質な脂の他にも濃厚な赤身が取れます。
その人気の高さで大量に屠殺され、一時個体数が激減。1991年にはたった198頭にまで減り、絶滅寸前の状態に陥りました。
種の保存に危機感を持ったハンガリー政府が2004年に国宝と認定し、“食べられる国宝”として管理するようになりました。

出典 KomoBb ABopb
マンガリッツァは主にドナウ川周辺に広がるハンガリー平原地帯で、放牧によって育ちます。
夏は暑く乾燥し、冬は風に吹かれ雪が降る牧草地。しかし、もじゃもじゃの体毛は厳しい気候のもとで大活躍します。夏には強い日差しから身を守る風通しのよいコートになり、氷点下30℃にもなる寒さももこもこセーターのような効果でへっちゃらです。
一年中広々としたところで、新鮮な空気を吸いながら伸び伸び育てられます。
スペインのイベリコ豚と同じ血統だとされ、仔豚の時は猪のような姿。その後成長するにつれ体毛が変化し、毛むくじゃらになるのです。
愛くるしいだけでなく、おいしくてみんなを幸せにする、まさに『国宝』の豚です。