“シカ”の名所「奈良公園」にそもそもシカがたくさんいるのはなぜ?
1693viewmayu2018/10/17

奈良県といえば『シカ』!と答える人が多いほど、たーくさんのシカが暮らしていることで知られている観光スポット「奈良公園」。約1,200頭のシカたちがいて、シカせんべいを手渡しであげる人がたくさんいるので、人にもよく慣れています。ここにいるシカたちは、国の天然記念物に指定されていますが、国や県に飼育されているのではなく、全て野生の動物です。では、どうしてこの地にあれほどたくさんのシカが住み着いているのでしょうか。

出典 jpninfo.com
奈良公園には、世界遺産にも登録されている「春日神社」という大きな神社があります。春日大社には武甕槌命(たけみかづちのかみ)という神様が祀られています。767年に春日大社が創建されたとき、神様が鹿島神宮から帰る際に白鹿に乗ってきたという言い伝えがあり、シカは神鹿(しんろく)と呼ばれ、尊ばれるようになりました。つまり、奈良公園に暮らすシカたちは、神様の使いなのです。この伝説のために、奈良では鹿はとても大切に保護されてきました。江戸時代には鹿を殺してしまうと死刑になったという話もあります。一時期は、畑を荒らすシカたちが狩猟の対象となったこともありましたが、今は奈良の鹿愛護会という団体がけがをした鹿の治療を行うなどの保護活動を行っています。奈良は、人とシカが共存している世界で唯一の場所として現在もシカを大切に扱っているのです。