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50年で160人の自殺志願者を救いつづけた天使の物語

1082viewvario2015/09/05

50年で160人の自殺志願者を救いつづけた天使の物語

50年間、自殺志願者に声をかけ続けた「ザ・ギャップの天使」

自殺者が急増するとされる9月は世界的に自殺予防に対する取り組みが行われており、日本でも自殺予防週間が設けられています。先日の鎌倉市立図書館のツイートが話題を呼び、記憶に新しい方もいらっしゃるでしょう。

ところで、オーストラリアのシドニーに「天使」と呼ばれる1人の男性がいたことをご存知でしょうか?ドン・リッチーさんが、まさにその方です。リッチーさんは自殺の名所であり、通称「ザ・ギャップ」といわれる断崖のそばに暮らし、亡くなるまでの50年間で160名以上の自殺志願者を救いました。そのことから、「ザ・ギャップの天使(Angel of The Gap)」と呼ばれ、奥さんとともに名誉市民賞、英雄市民賞を授与されました。

 

 

やさしい言葉と笑顔の持つ力を見くびるな

出典 rnw.nl

リッチーさんは第二次世界大戦中に海軍下士官として従軍し、戦後は一般企業に勤務しました。リッチーさんの娘の話によると、彼は人の悩み非常に敏感な方だったそうです。また、海を眺めるのが好きで、(そもそもは)観光地であるザ・ギャップのそばで暮らすようになりました。

リッチーさん夫妻は、自殺志願者が崖に近づいていくのを見つけると、そばに立ち寄り、そっと微笑みながら「何かお手伝いできることはありますか」と声をかけるそうです。今にも飛び降りようとする男性にタックルをして止めたり、奥さんが女性を助けようとして一緒に崖から落ちそうになったりしたこともあったようですが、基本的にはただ、声を掛けるだけでした。

それについてリッチーさんは、次のように語っています。

多くの場合それだけで人びとを思いとどまらせるのには十分だったんです。『やさしい言葉と笑顔の持つ力を見くびるな』と父は言っていました。

出典 AFPBB News

そしてリッチーさん夫妻は、自殺志願者を自宅へ招待し、お茶か朝食をご馳走しました。

 

誰かがきっと、私が今までやって来たことを続けてくれる

自殺志願者の中には、「ひとりでも優しい言葉をかけてくれる人がいれば、自殺をやめる」と書き置きを残した方もいたそうです。そんな人々にとって、リッチーさん夫妻のとった行動は、自殺をとどまるに十分な行為だったのではないでしょうか?

リッチーさん夫妻が救った人々は公式に160人と発表されていますが、実際に本人たちは数えておらず、恐らくより多くの自殺志願者を助けたとされています。

自殺の名所となった「ザ・ギャップ」を忌み嫌い、離れていく人々が多い中、リッチーさんはその場にとどまりつづけました。

ここに住んでいれば、たくさんの人を救うことができるのです。素晴らしいことだと思いませんか?

出典 日刊テラフォー

リッチーさんは2012年5月13日に癌で死去しました。病に体を蝕まれたリッチーさんは、亡くなる前にこんな言葉を残しています。

誰かがきっと、私が今までやって来たことを続けてくれると、想像しています。

出典 日刊テラフォー

自殺志願者の抱える心の闇を、素人の私たちが根本的に解決することは難しいのかもしれません。しかし、今まさに自殺をしようとしている誰かに、ただそっと微笑み、声をかける事なら、きっと私たちにも出来るのではないでしょうか?たったそれだけのことで救える命があるという事を、私たちはどんなときも覚えている必要がありそうです。

 

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