【感動の実話】虐待を受けた弱視の犬と彼女の「盲導犬」の物語
2690viewvario2015/09/10

生まれながらに虐待を受けた小さな命
イギリスのRSPCA(英国動物虐待防止協会)により1歳のキング・チャールズ・スパニエル「エリー」が発見された時、彼女はほとんどものを見ることが出来ませんでした。実はこのエリー、元の飼い主から生後間もなく酷い虐待を受けており、毎日真っ暗な部屋に閉じ込められていたのです。そのため、彼女の視力は発達せず、救出された時にはすでに白内障を患っていました。
エリーはRSPCAのボランティアをしていたジュリー・ランダーさんに引き取られましたが、ジュリーさんの家にはすでに、ジャーマン・シェパードのレオが飼われていました。1歳の小さなエリーと、40キロを超える大きなレオの共同生活が始まったのです。
エリーの「目」になったレオ
エリーの目の回復
飼い主のジュリーさんは、エリーの目の治療に踏み切ることにしました。白内障の手術費は膨大なものでしたが、多くの寄付金を募ることにより、エリーは無事に手術をすることになったのです。やがてエリーの目は回復し、改めてレオと二人の幸福な生活が彼女に待っているはずでした。
しかし、本当に待ち受けていたものは、彼女にとってあまりにも残酷な運命だったのです
レオの残した無償の愛の存在
エリーの手術が無事に終わり、彼女の視力が回復してから1週間が経った時のことでした。レオの体に悪性の腫瘍が見つかったのです。彼はその時すでに14歳でした。治療により改善する見込みはほとんどなく、レオに残された道は「安楽死」という方法だけでした。
エリーとレオの心温まるニュースはイギリスから届けられたものでしたが、レオが永眠した後のエリーについて語られることはありませんでした。
エリーの目が見えるようになってから、ほんのわずかの時間ですが、彼らはふたたび二人きりの時間を過ごしたのでしょう。せっかく目が見えるようになっても、エリーに待っているのはレオのいない人生でした。しかし、もしかするとレオは、エリーの目が回復するのを「見届けたかった」のかもしれません。身体を腫瘍が蝕み、自分の命があとわずかであることを知りながらも、最後の時まで、彼女を守りたかったのかもしれません。
人々がときに見失ってしまう「無償の愛」の存在を、二匹の犬たちによって改めて教えられたような気がします。
エリーとレオは、ジュリーさんの予想通り、すぐに仲良くなりました。そして驚くべきことに、レオはまるでエリーの目が見えないことを悟ったかのように、エリーの「目」となり、彼女を援助するようになったのです。
レオは彼女と一緒に物に触れ、彼女を誘導し、エリーはずっとレオのもとを離れず歩きました。ある日公園へ散歩に出かけてみると、レオがエリーの道案内をしてまわり、そして獰猛な犬の群れを見つけると、彼女に近づかないよう守っていたそうです。
まるでのディズニーの映画やアニメのような話ですが、レオはエリーのサポートに徹し、エリーは絶対的な信頼をレオに寄せ、二匹は互いに深く結びついていたのです。